事業再生の実際

近年、多くの技術革新や製造拠点の海外移転、人口動態からマーケットの縮小等の影響から、これまでのビジネスモデルが通用しない状況が散見されます。

【再生の条件】
産業競争力強化法に基づく再生支援協議会の事業では、“再生計画策定支援(二次対応)”の対象企業を次のように規定しています。

(1) 過剰債務を主因として経営困難な状況に陥っており、自力での再生が困難であること
(2) 再生の対象となる事業に収益性や将来性があるなど事業価値があり、関係者の支援により再生の可能性があること
(3) 法的整理を申し立てることにより債務者の信用力が低下し、事業価値が著しく毀損するなど、再生に支障が生じるおそれがあること
(4) 法的整理の手続きによるよりも多い回収を得られる見込みがあるなど、債権者にとっても経済合理性があること。

この中でも重要なのは、下線を引いた「再生の対象事業の収益性や将来性といった事業価値があること」で、その会社が単一の事業を行なっている場合は、本業の利益を示す“営業利益”のを一つの指標としています。即ち、営業赤字であれば、金融支援により利息を減免したところで、会社の清算価値は劣化していくことになり、上記の(4)に照らし、経済合理性が欠ける為、対象とはなりません。
もちろん、役員報酬の取り過ぎや、経費改善余地が多々ある場合には、それらを勘案して再生可能性を判断します。
「再生の対象事業」としており、「会社」としていない理由は、“会社”という器ではなく、“事業”を観るわけで、複数の事業を営んでいる場合には、その再生・継続の可否を事業別に判定していきます。

【暫定リスケ】
金融円滑化法が期限切れとなった現在、そのセイフティーネットとして“暫定リスケ”という一定期間、返済条件を維持緩和するという制度が設けられています。
本格的な再生計画(実抜計画)を策定には、企業の実態が分かるだけのデータも必要になることもありますが、金融機関を含めた利害関係者調整が必要になります。
取引金融機関は貸倒引当金を積むと困るケースもあり、すぐに債権放棄やDDS等の取り組みに難色を示すことも想定され、一定期間(半年~3年)の期限を定め、暫定的な計画で改善を進めながら、その達成状況も踏まえつつ、金融機関も引当を準備し、本格的な再生計画に移行することを前提としています。
これら自助努力による改善が進まない場合には、期限終了後に廃業を促がすという流れも想定しています。

【経営革新等支援機関の方へ】
最近、税理士の先生から、「財務面のデューデリジェンスは当方でもできるが、事業面のデューデリジェンスや資金繰り、金融機関調整については、取り組むことが難しいので協力してほしい」といった内容の相談が増えております。
長年、お付き合いし、最も顧問先企業を理解され、また信頼関係を構築している税理士先生の事務所と協力して、暫定リスケの検討や再生計画の策定を行なうことができれば、当方としても心強いです。
私自身も17年会計事務所に勤めておりましたので、皆さんのお立場、お気持ちを少しは理解できていると自負しています。お気軽にご相談下さい。

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